風、恋しいね^^


わたしがまだ小さかった頃、
エアコンなど不要だった。
真夏の数日を除けば窓を開けるだけで充分眠りが貪れた。
開け放たれた部屋はひんやりと、
時にはくくしゃみのお釣りがつく。


朝になれば窓を閉め、
冷えた空気を閉じ込めて過ごす。
長く伸びた庇が直射日光を遮り、
庭木の影に地面の反射熱も和らいで、
午前中は十分涼しかったものだ。

午後は、打ち水が涼の暮らしを支えてくれた。
濡れた庭先を吹き抜ける風が簾を通過して、風鈴を揺らす。
縁側に腰を掛けて食べるサクサクかき氷が美味しくて…

母が扇ぐうちわの柔らかなゆらぎはあめ色の夏の記憶だ。








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